第10話:仮面舞踏会の罠、三公爵を欺け
【登場人物】
カイ:燕尾服に身を包んだ「無口な騎士(愛人)」。不慣れな社交界に苛立つ 。
ひかり:給仕係(メイド)に変装。三公爵の指輪を解析する 。
エル:純白のミニドレス姿。カイとルシフェルの危機を救う 。
高清水涼子:異国の令嬢に変装。マモン公爵をダンスで翻弄する 。
北條孝子:東方の皇女に変装。アスモデウス公爵を魔術的な色香で誘惑する 。
詫間亨:給仕係として潜入。偽造カードや3Dプリンタでサポートする 。
マモン公爵:強欲公。宝石に目がなく、涼子のハッタリに食いつく 。
アスモデウス公爵:色欲公。孝子の妖艶な笑みに魅了される 。
偽ルシフェル公爵:傲慢公。親衛隊長であり、カイの正体を見抜く 。

〇 天界・第6階層「貴族居住区」
(映像) 第5階層の「大図書館」を後にした一行がエレベーターを降りると、そこには黄金と大理石で彩られた豪奢な街が広がっていた 。 空には太陽の代わりに巨大なクリスタルのシャンデリアが輝き、退廃的な繁栄を誇示している 。

ひかり「第7階層へのゲートは、ここを支配する『三大公爵』の生体認証と指輪が必要よ 。3つ全部を揃えないと開かないわ 」
カイ「面倒くせえな。殴って奪えばいいか? 」
涼子「野蛮ですわ。ここは貴族の街。暴力沙汰を起こせばゲートを永久封鎖されますえ 。今夜開かれる『仮面舞踏会』に潜入して、ダンスのどさくさに紛れてスリ盗りますわ! 」

〇 潜入拠点(空き倉庫)
一行は潜入のための「変装」を開始する。

カイ「(燕尾服を窮屈そうに弄りながら)なんで俺がこんな格好しなきゃなんねえんだ。髭まで剃りやがって 」
涼子「(真紅のドレス姿で現れ)似合ってますわよ。わたくしは『大富豪の令嬢』、孝子さんは『東方の皇女』 。そしてカイさんはわたくしの『騎士兼、愛人』という設定ですわ 」
カイ「愛人!? 」 ひかり「(メイド服姿で釘を刺す)喋るとボロが出るから、カイは『無口な騎士』を演じきって! 」

エルの姿は、純白のミニドレスに小さなティアラをつけた可憐な姿だった 。

〇 グランド・セレスティア・ホール(夜)
シャンデリアの光の下、仮面をつけた貴族たちが優雅な音楽に合わせて談笑している 。 涼子が「高清水財閥」の偽造ブラックカードとハッタリを使い、警備兵を突破する 。

ひかり(インカム)『ターゲット確認。VIP席にいる三公爵よ 。指輪には強力な魔導兵器が仕込まれているから、力ずくは厳禁よ 』
涼子「作戦開始ですわ。マモン公爵はわたくしが、アスモデウスは孝子さんが。カイさんは一番厄介そうなルシフェルをマークして 」

〇 舞踏会・駆け引き
【涼子vsマモン】 涼子がマモンの持つ巨大な宝石の指輪「神の涙」を褒め称える 。 涼子「賭けをしません? 次の曲が終わるまでにわたくしのダンスに満足したら、その指輪に少しだけ触れさせていただけます? 」 マモン「フォッフォッフォ! 面白い、受けて立とう! 」

【孝子vsアスモデウス】 孝子が扇子でアスモデウスの顎を持ち上げ、妖艶に微笑む 。
孝子「わたくしと踊れば、火傷しますわよ? 」
アスモデウス「ゾクゾクするねえ! 踊ろうか! 」

【カイvs偽ルシフェル】 軍服姿のルシフェルは、カイが近づいただけでその「虚無」の臭いから正体を見抜く 。
ルシフェル「貴様、あの『廃棄物ゼロ』だな? ここで暴れれば貴族たちは皆殺しだぞ 」
カイ「……ダンスのお誘いだ、大将 」

〇 決戦のワルツ
音楽が激しいタンゴに変わり、三組のペアがホール中央で舞う 。

涼子はマモンを激しい回転で翻弄し、目を回した瞬間に、亨が3Dプリンタで作った偽物と指輪をすり替える 。 孝子は誘惑のダンスの合間に扇子に隠した術式を使い、アスモデウスの指輪の留め具を腐食させて抜き取る 。

しかし、カイだけは苦戦していた。ルシフェルがカイの手首をガッチリと掴み、指輪の魔力を解放しようとする 。

ルシフェル「詰めが甘いな、ゼロ! ここで終わりだ! 」

その時、エルが二人の間に割って入り、重なった手の上から自分の手を置いた 。 エル「『強制・手繋ぎ(ハンド・シェイク)』 」 エルの虚無が指輪の魔力を中和し、一瞬の隙を作る 。カイの烈しい頭突きがルシフェルに炸裂し、こぼれ落ちた指輪をクロが空中でキャッチした 。

〇 崩壊するエレベーター
三つの指輪を奪った一行は、怒号の飛び交う会場から脱出する 。 ゲートへと続くエレベーターに飛び込むが、表示パネルには異常なエラーメッセージが浮かぶ 。

【エラー:第6.5階層・封印監獄へ降下シマス】

涼子「はぁ!? 降下!? 」

轟音と共にエレベーターが急落を始める 。 一行が向かう先は、王宮ではなく、天界の闇が眠る「忘れられた場所」だった 。

(第10話 完)